何者かになろうとする人生のある時期は内側にいると美しく燃えているのに、外側から見るとなんだか滑稽なのかもしれない。青春というにはもう若くもなく甘酸っぱさもない悶々とした期間をまるで『演劇』のように刹那的で儚く描かれていて、劇団を潰したことがある過去を持つ者として我がことのように没頭しました。
(池亀三太/花まる学習会王子小劇場芸術監督/マチルダアパルトマン)昔実際に見たような場面があって、胸が苦しくなりました。
劇団って、やっぱりしんどい事が多くて。
それぞれスタート地点も歩幅も違うし、そもそも同じ方向を向いてるとは限らない、でも一緒に歩きたい、だから揉め事が起こるのは必然で。
そんな日々を共に過ごして、続いていく劇団もいれば、消えてしまう劇団もいる。
そんな日々を肯定してくれる映画です。好きです。
現代アートで「一度描いた絵を作者がズタズタに引き裂いて完成」みたいなものがありますが、
堤監督は切れ味するどいナイフのような画で、「あの頃の僕たち」をきりきざんで行く。
夢を追うために、何かを犠牲にして、もがき続けて、そして上手くいかない。きっとありふれたリアル。
この作品を「終わりの物語」と思う人もいるだろうけど、僕は「始まりの物語」だと信じたい。だって人は誰だって失敗するのだから。
小劇場のダークサイドをいやというほど味わった人が、呪詛の言葉を吐きながら作った映画だと思いました。
これを見て、笑う人、怒る人、ぞっとする人、いろいろいそう。ぽんプラザホールで上映会しましょう。
くじけたり、ずるかったり、情けなかったりする登場人物の群像劇、誰一人魅力的じゃないのになぜか心に染み込む映画です!
(増井公二/映画監督)アラフィフですが、まだ何者でもありません。おそらく死ぬまで何者でもないんだろうけど、むしろその方が可能性の扉が閉まらなくていいんじゃないかと、この映画を観て切なく想いました。
(土屋豊/映画監督)パラレルワールドと聞くと一見自分の生活からはかけ離れた非現実の世界を思い浮かべるが、この映画の中では私達の生活に起こりうる普遍的な問題が散りばめられている。
とても興味深く観させて頂きました。
堤監督は32歳の若さでストーリーやプロットの功罪をよくよく承知していて、観客が登場人物を見つめていてさえくれれば作品の中に入って行けると確信しています。俗なサービスはゼロです。
にも拘わらずというよりゆえに観客は時間の経過と共に気持ちに芯が入って画面の人物たちと対話し自問自答を始めるのです、夢について現実について。
『ボヘミアン・ラプソディ』で見た夢を現実という名の鈍器で砕きに来るような映画でした(好き)
(華/MotionGalleryコレクター)『なにかやらなきゃ』と思ってるアラサーの心に刺さります!グリグリギチギチィーって感じに刺さって、そしてモヤモヤ考えさせられます。監督なんでこんな刺し方するのッ!?
(竹内泰人/映像クリエイター/MotionGalleryコレクター)
アラサーの売れない劇団員たちのリアルすぎる日常と、その関係性が徐々に確実に崩壊していく様に胸が痛くなる…!
(ヒナタカ/映画ライター)これは「裏カメラを止めるな!」と言うべき、衝撃のインディーズ映画体験だ!